episode.07

「龍を見たおはなし」の巻/その1

 

よっ!! 板橋不思議探検隊の隊長、山ちゃんだよ!! 今回もまた前回に続き不思議体験のおはなしであります。といっても、お題にある「龍」のことはあくまで話の途中で起こった引き金みたいなことであり、メインの話と言うのは突然自分の身に起こった「人生の転機」の話であります。

 

つーことで、2012年の5月頃から年末にかけての約半年間に起こった不思議な話をしますので宜しくです。しかしこの話、すんごく長いので一回じゃ終われませんので連載っつーことでおつきあいください。まぁ、映画「千と千尋の神隠し」的な、にわかには信じられない話ばかりなので真っ先に「薬物中毒」や「精神異常」「虚言癖」「新興宗教」を疑われるのは必須。自分にとっちゃ「百害あって一利無し」の損にしかならない話なんですが、きっと伝わる人には伝わる話なんで、ジジイの妄想ぐらいに思って気楽に聞き流してくださいまし。んじゃ、レッツゴー!!

 

 

今からさかのぼること2年前の2011年の今時分。もうそろそろ今年も終わりかという季節。夜の7時頃、僕はMacのディスプレイに映し出された1959年デュオグライドの写真を見つめながら、ひとりタメ息をついていました。前日に米国でショベルを2台買ったばかりなのに、その魅力的なデュオを買うための資金繰りを模索していたのです。期せずしてそのデュオは、数ヶ月後にロックバンド「MMS」のドラマーである吉田真一が乗ることになるデュオでした。この頃はMMSも吉田真一も僕にとってはまだ存在も知らぬ、出会ってもいない人々でしたが。

 

 

「やっぱ買えねぇな。これを買ってしまうと来月以降の運転資金に支障が出てしまう。仕方がない、諦めるか……」と、帰宅モードになっているところに突然の来客。と言ってもこのお客、夕方前に来店し、気づかないあいだにいなくなっていた飛び込みのお客さんでした。40~50歳ぐらいですが格好はヒップホップ系。髪もロングで赤く染められています。この感じは千葉モンか埼玉モンのどちらかだな?

 

 

客:
あのう、ショベルが欲しいんですけど、どれが売りモンのバイクですか?

僕:
ああウチねぇ、ほとんどが注文受けてから製作するんで、今ある店の中のバイクは皆売れちゃってるヤツなんですよ。 あ、そういえば昨日米国でショベルを2台買ったなぁ。さっきSFCからLAまで輸送途中の写真が送られてきたのがあるけど見てみます?

客:
ああ、見ます、見ます。へぇ~カッコいいじゃないすか? コレいいなぁ。コレ買いますよ。

自分、行徳でラーメン屋やってて、これ、店の運転資金なんで使っちゃいけないんですが、今は頭金コレしかないんですが。

 

と、現金で150万渡されました。聞くところによると、浅田と名乗るこの人物は行徳の有名ラーメン店「葫 (にんにく)」の店主らしい。

 

 

突然ハーレーが欲しくなり、バイク雑誌をめくってたまたま載っていたロードホッパーの記事が目に留まりウチに来たらしい。もともと綺麗好きな彼は車もバイクもピカピカでないとイヤな性分らしく、当店のバイクとは全く正反対のスタイルだ。後で本人から聞いた話だが、昼間に来た時は「失敗したぁ~、汚ったねぇバイクばっかじゃねえかココ。この店は俺の感じじゃねぇな」と思ったらしいが、何より自分の直感を優先して事に望む性分らしく、雑誌をペラペラとめくり「よしっ! とりあえずココに行ってみる!」と決めたのが当店である。ウチに来たのは直感だったが、もう一度駐車場の車の中でひとしきり考え、日が落ちてから意を決し再び店を訪れたというわけだ。

 

というわけで、ひと通りの手続きを済ませたのだけれど、その最中、彼に誰かから電話がかかってきた。

 

「もしもし、浅田です。はい……はい……はい……あぁそうですか。いやもう買っちゃいました」

 

 

ひと通り電話で話しをしたあと、僕にその電話の内容を語る浅田氏。「いま電話かけてきた人物は、14歳の時に母親の再婚とともに日本へ帰化した中国人の叶さんていう若者なんですけど、なんつうんですか、いま流行のスピリチュアルって言うんですかねぇ。人の運気とかいろいろわかるみたいで、僕なんかここ20年間は最悪だって言われていてヤルこと成すこと全部裏目に出るそうなんすよ。だけど僕がハーレーを買うかも? って話を誰かから聞いたらしくて調べてくれてたみたいで。そしたら、たまたま今日の日没以降の時間帯は何やっても運気に左右されない良い時間帯らしく、そんな特別な日は年に2~3日しか無いみたいです。自分が今日たまたま店にやってきたのも結果的には良かったみたいです」と。

 

ふ~ん。僕もいろんな人と関わりがあって、確かに順風満帆な会社をやっている経営者の中には信心深い人も多く、会社の場所を転居したり重要な契約を交わす日取りなどを相談したりする「先生」と呼ばれる存在に頼っている方も結構いたりする。ジンクスや気の持ちようと言われればそれまでだけど、今までも「何かあったら紹介するよ」なんて言われたことは何度かあった。お固い経営者の人から「会社経営者で日取りとかを先生に相談して決める人は多いよね」なんて、「そんなの当たり前でしょ」的な真顔で言われると、社会の根の深いところで「神頼み」的なことが一部確立され機能しているということに気づかされる。

 

中国や北朝鮮でも同様に、大事な行事の日取りは利便性や合理性などで適当に決められるものではなく、必ず占星学や易、風水などで計算され算出された日取りで導きだされているという話もまんざら嘘では無さそうだ。

 

 

そんな能力者の存在は前々から多少は気にはなっていたが、そんな出会いもタイミングも無く「まぁ、俺は別に興味ないけどね」とタカをくくっていたんだけども……。ところが年を越して2012年の4~5月ぐらいから何やらもの凄~~く気になりだしてきた。あらゆる部分で自分の身の回りの人間関係が変わり、自分の生き方についても疑問が湧くようになる。僕は生まれてこのかたストレスなどあまり感じたことは無いし、これといった苦労もした記憶がない。望む望まないに関わらずいつの間にか会社を経営しているし、自分の意志が無くても勝手に物事がトントン拍子に進む。たとえば「明日から10日ほど店を閉めてパリに遊びに行く」なんて事もやろうと思えば出来るし、贅沢しようと思わなければ好き勝手放題の境遇だ。

 

「俺、もう50歳過ぎだぜ。人の生き方として本当にこんな楽してて良いのか?」

 

そして、前出の浅田さんにその人の連絡先を聞いて、とりあえず会ってみようと思い始めた。聞くところによると叶さんという人物、本業は会社清掃のアルバイトで人物鑑定は商売としてやっているわけではないそうだ。生まれて初めての体験。さっそく教えてもらった連絡先に電話して横浜の自宅まで行くことに決まった。

 

よもやこれが不思議な日々の始まりになろうとは誰が予想したでしょう?

 

つーわけで今回はここまで。次回は叶さんによる鑑定と、その時に話された「輪廻転生の巻」だよ~。

 

つづく。

 

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CHOP STICK CHOPPERS
住所■東京都豊島区西巣鴨2-22-8-1F
電話■03-3910-8065
休日■木曜日
URL■www.zerochop.com

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チョップスティックチョッパーズ

山口和俊 Kazu Yamaguchi

東京の下町、西巣鴨に居を構えるチョッパー屋の主、カズヤマグチ。愛車は30年来の付き合いになる1941ELナックルヘッド。店名のCHOP STICKという名前の由来は日本人に馴染みの深い「箸」から取ったものだ。

 

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