episode.11

「龍を見たおはなし」その5/不思議な龍とパズルの巻

勘違いをする方も大勢いるでしょうから再度断りを入れさせてもらいますが、僕はこれらの話を無条件に信じて欲しいなどとはこれっぽっちも思っていませんし、ネット系都市伝説や特定の宗教団体にみられるような神秘主義的な考え方も一切ありません。お正月には初詣もしますが信心深いということは全くないごくごく一般的な日本人であります。今回の体験の他にも人に言うのをためらうような不思議な体験も多くあったのですが、ここでは肝になるキーポイントのみの記述に留めています。不思議な存在があるか? と聞かれれば、それはわかりませんし、もしそれらが実際に存在したとしても人間として生まれてきた以上、物事は人間社会の中で解決して行かねばなりません。なので、自分が馬鹿にされても一向に構わないのですが、願わくば僕の不思議な話にハマリ過ぎないようにご注意くださればと思います。

2012年9月8日土曜日。
まる3日間に及ぶ、ゆうこの献身的な手当によって僕の容態はすっかり良くなり、今日は久々の出社だ。当時のメカニック柳澤くんへ数日のあいだ心配をかけてしまったことを詫び、病み上がりということもあって夜7時過ぎには家に戻ってきた。そしていつものようにベランダに出てタバコをふかす。

むむむ。

空に明らかに妙なものが浮かんでいる。遥か地平線の彼方から世田谷上空を経由し数キロも続いている長い長い雲だ。その長い雲がウチのベランダの前でバスっと切れていた。しかも普通の雲ではなく、もろクッキリした「蛇腹(ジャバラ)」とでも言うのだろうか? それはまるで頭も手足も無い巨大な龍のように見える。まだ完全に日没していないのか夕日を浴び白と金色に輝いていて、いかにも「龍でございま~す」とでもいうようにあからさまにして神々しい蛇腹だ。

今日も来るのか? 来るんだろ? かかってこいや~、カモ~~~ン!!

前の2回は突然だったので肝をつぶしたのだけど、今度のは「これから出ますよ~」的な心の準備ができているので、俺の想像力は今日はどんな登場のさせ方をするのだろう? と、その長く伸びた雲を40分ぐらい見つめていた……。

が、な~~~んにも起こらない。幻覚だとは思いつつも少しだけ期待していた自分が何だかアホらしく思えてきた。やっぱりこの前のは疲労の蓄積によって見た幻覚なのだろう。

「な~んだ、ただの雲か? ケムトレイルか? 人騒がせだなまったく」

もう飽きてしまった僕はそそくさと部屋に戻り、米を炊き、風呂に入り、夕食を終わらせてタバコを吸いに再度ベランダへ。何と、その雲はまだ同じ姿のままそこにある。もう夜10半になろうというのに形を変えることも移動することもなく、同じ状態でそこにある。雲が低空で形を崩さず3時間もとどまるのはさすがに見た事はありません。

と、その時であります。ウチのベランダの前でブッツリ切れていた雲の先端が何やらモコモコし始めたかと思うと、そこから3本の指を持つ龍が湧くように出てきたのです。しかも一つや二つではなくすんげ~数です。いったい何匹ぐらいいるのでしょう? モッシャラ、モッシャラと絡み合っています。その不思議な様子は何かに例えるなら、お坊さんが境内の落ち葉掃除に使う「熊手」にクリソツな全体像をしており、イメージとしては一本の龍の身体の先っぽから小さい龍がワラワラと生まれてくるといった感じでした。

ま、小さいといっても、月曜、火曜と連日現れた4本指のドデカい白龍に比べればという話で、それぞれ龍は指の数を勘定できるぐらいデカく、身体のサイズは地平線まで続いて尻尾も見えないのですからムチャクチャ巨大な龍であることには変わりありません。

「あぁ、この無数の龍たちは僕とゆうことの結婚を祝いに来てくれたんだなぁ~。ご苦労さま~幸せになるよ、ありがトゥっ!!(堀内孝雄 風)」

と、のんきなことをツブやきながら感謝した私であります(これが現実だろうが幻覚だろうが、もう関係ないと考える自分がいるのです)。この小さな龍の乱舞はずうっと続いていましたが、際限なく見ていてもキリがないので飽きてしまった僕はしばらくして部屋に戻り寝てしまいました。

さて、明けて9月9日 日曜日。
店で仕事をしていた僕は、「そうだ、次の水曜、木曜に婚前旅行に行こう!!」と思い立ちました。

「どこが良いか? 草津温泉にゃ泊まったことないから草津がいいなぁ。恐ろしく高いんだろうけど婚前旅行だし贅沢しても罰は当たるまい」

早速ゆうこに電話すると、ぜひ行きたいとのこと。柳澤くんに、「今度の休みに婚前旅行で草津に行こうと思うこと。ちょっと足のばして戸隠の蕎麦でも食べてくること」を伝えたところ、長野出身の柳澤くん曰く「蕎麦食べるんだったら白馬の方に山品という美味しい蕎麦屋があるのでソコ行ってみるのも良いんじゃないですか?」とのこと。おっ、良いじゃんそれ。せっかくだからソコ行くわっ!! と、さっそく場所を調べることにした。

う~~む、草津&戸隠だと関越道&長野道で距離も短いが、白馬となると少々キツい。白馬の蕎麦を取るか草津温泉を取るか? 流れに身を任せる性格の僕は、流れで柳澤くんが教えてくれた「山品」の蕎麦を取ることに決定。さっそくルート考察と宿の予約だ。ルートは中央道周りで白馬の「山品」、んで長野道で戸隠蕎麦、関越道で東京へ戻るということにした。このルートで宿泊に便利な場所といえば諏訪湖でありました。諏訪湖も行ったことがないので丁度良い機会です。宿を調べると、ラッキーなことに人気の宿がゲッチューできた。イ~~ネ、蕎麦三昧。

9月12日 水曜日。
15時前に諏訪湖へ到着し宿のチェックインを済ませ、夕食までの間しばし諏訪湖周辺の観光。諏訪湖と言えば武田信玄が瓶に入れられ埋葬されていると伝えられている湖ですな。そして諏訪大社もある。ここはとりあえず、結婚の報告も兼ね諏訪大社へお参りに行こうか? となりまして。聞くところによると諏訪大社は周辺に点在する大小多くの神社を総称した名称だということであります。この時間からではとても全ては廻りきれないので、メインの4つの神社を廻ることにします。で、さっそく参拝レッツゴー。

諏訪大社 上社本宮

「おっ、千尋池なんつー池があるねぇ。千と千尋の神隠しと同じ字だなぁ」「あっ、御柱が祀ってあるぞ~」なんてーことを言いながら参拝しつつ、諏訪大社の由来を読むわけです。ふむふむ、要約すると「……お諏訪さま、諏訪大明神と親しまれ、古くからある信仰には風と水を司る竜神……」

おや?

宿に戻り、さらにネットで「諏訪大明神」や「竜神」で引いてみる。まとめると「昔、蒙古襲来のおり、ここで神事が執り行われているさい、諏訪湖から一頭の巨大な白龍が飛び出で西の空へ向かった。そして神風を吹かせ蒙古軍を壊滅させたのち再び諏訪湖へと戻る。これが2度の蒙古襲来のおりにあった。そのため諏訪大社は諏訪大明神である白龍様をお祀りしております」。

げげげっ、間違いない。二日にわたり僕の目の前に現れた4本指の巨大な白龍はここの龍に違いない。ついこの前に知ったのだが、武田信玄の有名な甲冑に付けられていたトレードマークの白い毛と2本角の怪獣は、この諏訪大明神が変化した白龍を模したものらしい。日本の危機を2度に渡って防いでくれた諏訪湖の白龍は「軍神」としても武将の間で信仰の対象になったのだそうで、「神風」の由来も同じだそうです。

あと「諏訪湖」「神無月」で検索してもらえばわかるが、あまりに白龍がデカいのでこの地方には「神無月」が無いのだそうだ。僕らが諏訪大社に来ることになったのは本当に偶然だったが、「私はここにいるもの」という感覚が僕の心にビンビン響いてくる。まぁしかし、何の物証もなければ確証もなく、なぜ僕がその白龍を見ることになったかの理由も解らないことなので、そんなことは自分の胸の中に仕舞っておけば良いのでしょう。自分だけが感じていれば良いわけです。でもここで月曜日、火曜日と連日体験した謎のパズルのピースが、ひとつパチンッとハマった気がしました。

さて、明けて9月13日 木曜日。
昨日は白馬で山品の蕎麦を堪能し、今日は戸隠蕎麦だ。日没まで時間が間に合えば戸隠神社でも立ち寄って行くか? ということになり、一路戸隠へ。戸隠神社奥社の参道入り口に到着したのは15時半。戸隠山の頂き付近にある奥社へは約2キロの山道を徒歩で登って行くことになります。何とか日没前には戻ってこれるかな? ということで二人で意を決し登って行くことに。まずは参道入口の鳥居の前で一礼。

実はここへは2年前に仲間7~8人で麓のキャンプ場でバイクキャンプしたついでに初めて立ち寄ったのですが、その時は日本有数のパワースポットなんて触れ込みもあり、折からのスピリチュアルブームということもあってか参道は参拝客でいっぱい、奥社のある山頂まで登ってはみたものの小さな神社は参拝待ちの大行列で、その時は敷地にも入らず山を下りたのでありました。なので今回は2度目の挑戦です。

さて、鳥居をくぐり参道に入って歩いて行くと、平日ということもあってか2年前の混雑とは大違い。この時間から登って行く者は僕らしかなく、参拝が終わったらしい3人の年配グループとすれ違ったのみで、もう辺りには僕らしかいない絶好の参拝日和です。そして僕らは誰もいない静かな参道で、この世の自然現象とは思えない、あり得ない光景を目の当たりにすることになるのでした。

戸隠奥社へと続く参道は左右を巨大な杉並木に囲まれた山道を登って行くのですが、信じられないことに、僕らの周りの多くの樹木がまるで人が入っているかのように二人へ手招きをするのです!! 中にはダンスしているようにはしゃぐ植物、枝を色んな方向に振りながら、まるでめっちゃ喜んでいるように見える草木など。断言しますが、これは決して自然現象などではありません。もう、ゆうこなんかは笑っちゃって「スグに登って行くからちょっと待っててよ~」なんて、色んな動きをする植物たちに話しかけています。それほど僕らが歩み進む参道の左右へ自生する植物たちが人間みたいな動き方をするのです。実際にこれらを目の当たりにしていない学者さんなどは「山の地下水や乱気流が作り出す低周波振動により、植物がまるで生き物のような動きをすることがある」と言うのでありましょう。

もしかするとそれらは低周波振動が作り出した自然現象なのかもしれません。しかしここへ至るまでの不思議な出来事やタイミングも兼ねて考えてみると僕はそれとは違うと思います。このように多種多様な植物が、辺りに人が居なくなった瞬間に一斉に僕らへ手招きし、そして踊り狂うさまは決して自然現象などによる単なる偶然とは考えにくいものでした。

この複数の現象がその時、その瞬間に偶然起こりえる確率の計算など、考えるだけで無意味というものです。最も肝心なのは「何故そのとき偶然にそのような現象が起こったか?」ということだと僕は思うのです。友達からの何気ないひと言。テレビから耳に飛び込んできたひと言。ボ~~っとしてる時に閃いた考え。偶然、偶然、偶然。

あなたの心に響いた偶然の出来事。それらは決して偶然ではないと僕は思っています。僕らは左右の草木に手招きされつつ、あるいは祝福されつつ山頂へと歩を進め「不思議だねぇ、面白いねー」なんて話しながらも、実はこれと似たような感覚を過去に体験したような気がしていました。

一体いつ? 何処でだっただろうか?

そんなことを考えつつも、やっとこさ念願の戸隠神社へ初参拝することが出来ました。もちろん他に参拝客は無く、神社は静まり返っています。神社へ手を合わせ二人が結婚することの報告を終え、とりあえず神社脇にある「戸隠神社の御由緒」立て看板を読んでみました。ふむふむ、要約すると「戸隠神社は高千穂由来の天手力雄命(あまのたちからをのみこと)をお祀りしている神社です……」

あ~~~~~っ!!!! 思い出した!! 先ほどの樹木の歓迎ぶりはシチュエーションこそ違うものの、昔に体験した不思議なことと同じ感覚なものでありました。これも思い込みやこじつけなのかなぁ? まっ、いいやそれでも。ここでもまた40年以上前に体験した謎のピースがパチンッ!

戸隠神社 奥社と御由緒

あれは忘れもしない、小学5年生の秋のこと。修学旅行で行った宮崎県 高千穂(たかちほ)での出来事になります。当時、漁師町育ちでとってもマセていた僕は「男一匹ガキ大将」などの影響で「硬派こそ真の男」「ケンカが強くてナンボ」という世界に憧れていて、いろんな史跡やら名所などには全く興味もなかったのですが、それは「天安河原(あまのやすがわら)」を見学した帰り道で起こりました。

「つまんねぇなぁ~」。皆と一緒に行動せず、団体から離れ1人後ろを歩いていた時のこと。突然、僕の周りに見えない何かが集まって来たんです。それは例えば大勢でお祭りをやっているような、ワイワイ、ガヤガヤと僕を歓迎しているような、祝ってくれているような、そんなものが僕の周りに集まってきたのでした。皆で祝いの唄を歌ってくれているのか、なにしろヤンヤ、ヤンヤと何やらおめでたいことがあった時のように騒々しいのです。

すると今まで経験したことも無いことが自分の中で起こりました。自分の心というのか? 魂というのか? 何かが僕の中で振動を始め、それが徐々に大きくなり何故だか涙がポロポロ溢れてきました。それはゆうこへプロポーズした時と同じで、悲しいのではなく嬉しさで涙が止まらないのです。なぜこんなに嬉しいのか理由はわかりません。「魂が震えるということはこんな事を言うのだろうか? ここには神様といわれている存在が本当にいるのだろうか?」。小5のガキが初めて体験した魂の振動でありました。

そして、先ほどまで何~~んも関心の無かった小5の僕は、旅館に戻るやいなや高千穂での言い伝えや伝承が書かれたパンフをむさぼるように読んだのでした。ふむふむ、要約すると「天照大神(アマテラスオオカミ)が岩戸にお隠れになり世界は闇になる。そこで困った八百万(やおよろず)の神々は作戦を考え岩戸の前で宴を催す。外の騒ぎに何事か? と天照大神がチラリと岩戸を開けた瞬間を待っていた、神々の中で最も腕力の強い手力雄命が岩戸を外してブン投げた。ひとつは高千穂の集落へ。そしてもうひとつは信濃 戸隠山へ」。

笑っちゃうほどカッケ~っ!! 長野まで飛ばすなんてどんだけ力が強いんだ! それ以来、八百万の神々の中でもこの手力雄命(たちからをのみこと)が僕のお気に入りの神様でありました。「手の力の男」という名前も何だか間が抜けていて面白い。もちろん名前など覚えてるハズもなく、「八百万の中でも力がハンパなく強い神様」という認識です。ちなみに、長野県の「戸隠」という地名は、二度と岩戸が閉まって暗黒世界にならぬよう「岩戸を隠している」という意味があるのだそうです。

高千穂峡(たかちほきょう) 天安河原(あまのやすがわら)のホコラ 夜神楽のとき配られるパンフ

さて、この戸隠神社奥社。よく見ると一段下がった場所にももう一つ神社らしきお社(やしろ)があります。「あれ? あそこにも神社があるねぇ。せっかくここまで来たんだからあそこもお参りして行くか?」。また、二つの神社の間にも賽銭箱を備えた小さな社(やしろ)がありました。「んじゃあココもお参りしとこう」。鈴を鳴らし深々と頭を下げ礼をしたあと頭を上げると、僕の目線の真っ正面に、むかし奉納されたであろう古い絵馬が目に飛び込んできました。横60センチ、縦40センチほどの相当古い絵馬でした。絵の具はところどころ剥げ落ちてますが何やら神々の絵が描かれてあります。

「あ~~~~っ!! ゆっ、ゆっ、ゆうこ~っ!! こ、こ、こ、コレ~~~っ!!」

僕は口から心臓が飛び出そうになるほど驚きました。何と! そこには何かを祝っている数人の神々と対面する一人の神様、そしてその傍らに不思議な龍の姿が描かれていたのです。

九つの首を持つ白い龍。

「ゆうこっ!! たっ、大変なことになった!! 俺が土曜日に見た奇妙な姿の龍はこの龍だよ!! 細かいところは違うけれど間違いない!」

唯一の違いは、この絵馬の龍には手足の付いた胴体に首のみ9本あるのだが、ウチのベランダ前に現れたのは手足の無い胴体の先に、前足が付いた無数の龍がモジャモジャいるという姿でありました。だけど双方とも「熊手スタイル」なのは同じです。表現は異なれど間違いなく同じ龍でしょう。僕らは今でもその時に見た絵馬をもう一度見たくて何度か戸隠奥社を訪れましたが、それ以来どういうわけか肝心の絵馬はなく、宮司に聞いてもわからないとのことでした。どうやら何枚も奉納されていた絵馬の中から、その日たまたま偶然その絵馬が掛けられていたようです。この神社に何故あんな姿の龍の絵馬が奉納されたのだろう? さっき天手力雄命を祀っていると書かれてあったけど? 理由はわからないが、ここでもまた土曜日の謎のピースがパチンッ!

そして下段にあるもう一つの神社へ参拝すると、そこには「九頭龍大神」と書かれていました。もともとこの戸隠山を護っていた九頭龍が高千穂まで出向き、岩戸を投げた手力雄命を迎えてこの地にお祀りしたとのことです。なるほど、戸隠神社奥社にお社が二つあるのと、奉納された絵馬に九頭龍が描かれてあったのにはこういう意味があったのですねぇ。

土曜日に僕が見たのはこんなの(左) 奉納されてた絵馬はこんな感じ(右)

え~らいこっちゃ!! え~らいこっちゃ!! 何だかただならぬことになってしまった。先週2種類の龍が僕の前に現れて、偶然とはいえ僕らは間違いなくその白龍と九頭龍に呼ばれ、引っぱられ、諏訪大社と戸隠奥社に来てしまったのでしょうか? それにはいったいどういう意味があるのでしょうか? 自分が体験したことを信じるようにとのことなのでしょうか? そもそもなぜ龍が、しかも2種類の龍が現れなければならなかったのでしょうか? 謎は深まるばかりで理由がまったく解りまっしぇん。しかし、僕の心境としては本当にえ~らいこっちゃであります。

いやでもね、本当に僕らはこういった神懸かり的なものとは無縁な普通の庶民なのですよ。何で僕らにこのようなことが起こっているのか全く理解出来ないわけです。だけども、これら2体の龍をきっかけとした出来事は、僕らへ、日本の皆へ、そして世界の人々へメッセージを送りに来てくれたのだと今では思っているんです。だんだんと少しずつバラバラだった謎のピースが組み上がり、僕を意図的にどこかへ引っぱって行ってるような気がしてなりません。たとえそれが幻覚であれ思い込みであれ、来るもの拒まず去るもの追わずの僕は自然体でこの流れに身を委ねます。

このあと事態は更に急展開することになります。何やらわからない神憑った神秘的な体験の連続からガラリと現実的でシビアな世界へ。何はともあれ、良く理解出来ない体験によって僕の目が一気に現実的な諸問題へとフォーカスされたのは事実であって、ひとりの日本人、ひとりの人間として、これからの未来のことを真剣に考えることになったのは事実なのです。何か不思議な世界のものや救世主的な人物が突然現れて救ってくれるなどという他力本願的な都市伝説系神秘主義とは根本的に違うのです。そんな都合良く便利で親切なものは現れないし、自分や家族や友人を巻き込んだり犠牲にしてまで何かを行動に移さなければならないといったこともありません。 自分でまいた種は自分で刈り取らなければなりません。「愛」を受取りたいのであれば、まず自ら「愛」をふりまけば良いだけだと思うのです。

そして、程よいタイミングで僕に情報と考える時間を与えながら、少しずつ確実に謎のパズルが組み上がって行くのでした。

いや~~まんず、まんず、本当にえ~らいこっちゃ!!

つづく

 

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CHOP STICK CHOPPERS
住所■東京都豊島区西巣鴨2-22-8-1F
電話■03-3910-8065
休日■木曜日
URL■www.zerochop.com

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チョップスティックチョッパーズ

山口和俊 Kazu Yamaguchi

東京の下町、西巣鴨に居を構えるチョッパー屋の主、カズヤマグチ。愛車は30年来の付き合いになる1941ELナックルヘッド。店名のCHOP STICKという名前の由来は日本人に馴染みの深い「箸」から取ったものだ。

 

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