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episode.04

リアル
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締め切り超過の4作目コラム。なかなか進まない執筆。全く上がらないモチベーション。「期限過ぎてますけどー。はよせんかい、ボケ」と、受話器の向こうからナリタ氏のあおり。もちろんノーギャラ。周りの反応も微妙な空気感。こんなんで「ナリタさんギャラちょーだい」なんてこと言ったら瞬時に抹殺され「もうやりたくない」なんて言った暁には、この業界から干され天涯孤独の人生を歩むことになるのでしょう。無い知恵絞って、空っぽの引き出し開けて、一生懸命書かせていただきます!!

 

「バイクは走ってなんぼ」、なんて当たり前の台詞をバイク屋が当たり前のようにメディアで広言していた数年前。我らHIDEMOは「バイクをカスタムする」という行為について深く深く考え込んでいた。車台に対し車輪が付き、動力発生・伝動装置を備え、転がり抵抗係数を超える進行エネルギーを持つ全ての機構は動いて当然。そこに舵取り装置と制動装置を備えたのが基本構成となって操縦者が意思を持って動かす事が出来る構造物となるのだろう。しかしそこでワンストップシンキング。「これ動きますょ」と「これ走りますょ」は、そもそも意味が違うんじゃないか、と……。

 

二輪メーカーの開発員達が一生懸命研究し、幾多の計器を使って安全を裏付けした車両を、カッコ・カタチを優先にしてどんどん乗りにくくする。もしかしたらその開発員達は残業手当も無く家庭も顧みず、己の首をかけ製品化した車両だったのかもしれない……が、そんなことは知ったこっちゃない。フットシフトからハンドシフトへ改造し、コーナーの立ち上がりが鈍いからとダンパーを強めようなんてまともな構造力学が存在しないパラレルワールド。Chopperになればなるほど操縦性に負荷がかかるが故に乗りこなす快感も増幅していく。その境地に行き着くには莫大な費用と時間がかかるのだがそこには信じて止まない男の夢がある、Chopperの美学、1%er……。

 

ちょうどその頃、1%erに疲れ、ハードコアなカスタムに悩む乗り手の皆様にポツポツと出会い始めた。魔法が解けた瞬間、1%er Chopperは「乗りにくい、無理しないと乗れない、まともに走れない」乗り物に成り下がるそうだ。もちろん皆様はガムシャラに夢や美学を追い続けるカッコ良さを知っている。だからこその心の葛藤なのだろう。もっと現実的で自然体で付き合えて、そして楽しく走れて、しかも誰もが乗りやすいカスタムバイクを造れないだろうか?

 

我らHIDEMOの一大決起、ワンストップシンキングの答え。それが3年程前から始めた高年式のスポーツスターを使用したカスタムプラン。コンセプトは「より現実的で、自然体で、リアルに楽しめるカスタムハーレー」だ。カスタムハーレー入門車としてご使用いただくケースも多いのだが、旧車カスタムやChopperから乗り換えていただけるケースも意外と多い。週末や休日に気負う事なくさらっと乗れる。ご近所一周ですら非日常的で刺激的な風景と出会える。セル一発で最上級のドーパミンが脳内を駆け巡る。仕事、結婚、子供、家庭、時間やお金の余裕、1%erより大切なもの、そんなお客様に選んでいただけるプラン。

 

「バイクは走ってなんぼ」なんて台詞はきっと技術者サイドのエゴに過ぎないと思う。より乗り手の皆様にカスタムバイクカルチャーを楽しんでもらう為には我らに何が出来るのか? お客様ひとりひとりの現実的な感覚を、リアルに上手に詰め込んだCOOLなカスタムプランを更に充実させていきたいと考えている今日この頃だ。

 

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