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episode.06

Yokohama HCS
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もうすぐ年に1度のバレンタインデー。チョコが欲しいなんて全く思わず、その存在すら忘れているくせにあちこちから複数のチョコ が集中しちゃうモテ男と、どうにか義理の1個でもと淡い期待に胸を躍らせながらも毎年手ぶらで帰宅してしまうモテない男の差が歴然と出る日だ。

 

高校生の頃「バイク=カッコいい、モテる」という魔法を信じ、バイトに汗して中免教習に通った冬休み。3ナイ運動なんてものともせず、初めて彼女と2ケツして河川敷を走り抜けた夏休み。都会から帰省した先輩が乗り付けたハーレーに心からシビれた春休み。そんな数々の初期衝動を背負い、我々は「ハーレー乗り」という立派な大人に成長した。しかし最近、この特殊な日が近づいてくる度に「ハーレー=カッコいい、モテる」というあの頃、信じてやまなかった魔法の力をつい疑問視してしまうのだ。

 

巷のバイクに跨がるライダーの本音には「ハーレー=ファッション重視、ブランド意識、チャラいヤツが乗ってる」というごく一部の偏見がある。これだけ街にハーレーが溢れているにも関わらず、そんな偏見持ちと話をすると決まって「ハーレーってモテるでしょ」、なんて軽くディスられる。「硬派にバイクに乗ってる俺はモテる為に乗ってる君とは次元が違うんでね」という聞きたくもない腹の中の声と共に。こんな時「お宅様のバイク理念に興味無いんすけど……」と言い返したいのは山々なのだが、それは彼にとって自己アピールの常套手段だったりするので、とりあえず大人として嘘笑いでその場をごまかす。

 

もちろん最高にCOOLで沢山の愛と時間とお金を注ぎ込んできた自慢の愛馬を、日本中の誰しもに認めてもらおうなんて思ってない。直接モテに結びつくとも考えてないし、チョコの数に反映されるとも思ってない。唯一の女ウケ要素、「高級バイク」のイメージのお陰か、第一印象だけはちょっぴり良いかもしれない。しかし大抵の場合、「だったらちょっとでも良い車に乗れば?」ってのが女の本音だろう。これらを踏まえた上で、もしこの特殊な日に貰えるチョコの数が偏見持ちと同レベル、もしくは雀の涙程度だったとすれば、ハーレー乗りはディスられ損だ。

 

そんなある夜、妻がドラマに夢中になっていた。典型的な女ウケ俳優、向井理がロックベーシスト兼フレンチシェフを演じていた。ベースを弾くシェフだって? そりゃ、さぞかしモテるだろう。さり気なく妻に聞く。「向井理のどこがええの?」。間髪入れず妻が答える。「頭ええし、背高いし、顔小さいし、手足長いし、料理出来るし、楽器出来るし、爽やかやし、シャレオツやし、尚かつ清潔感があるところ!」。お前は芸能評論家か! とツッコミかけた瞬間、ふと気が付いた。スムーズにツラツラと羅列されたその輝かしいはずのモテ要素に、全く魅力を感じない。これってあの特殊なチョコをカウントする行為と同じ感覚じゃないか……? あの冬休みを、春休みを、初期衝動を思い出した。分かりあえる人達と楽しく分かち合いたいだけだった。カスタムハーレーとなればなおさらそうだ。COOLなバイク、仲間達、揺るぎない信念、それこそ信じてやまなかった魔法の力! お菓子メーカーによる販促目的デーと偏見持ちのディスりに翻弄され見失いかけた自身の原動力……。なんだか地味に再確認出来た気がした! ありがとう、向井理。

 

もうすぐバレンタインデー。男社会に居ると、どうしても雀の涙程度の収穫しか望めないかもしれません。そんな時、うっかり魔法の力を見失ってしまった方。是非このコラムを読み返して、ヒデモーターサイクルへと足をお運びください。スタッフ一同心よりお待ちしております。

 

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