episode.16

1903年

1903年に生まれたハーレーダビットソンの110周年記念の盛大なパーテイーがアメリカのウイスコンシン州の誕生地、ミルウオーキーの街で行われた。五大湖の一つであるミシガン湖のほとりにあるこの街にはミラービールの工場とかMLBのミルウオーキーブリュワーズの本拠地がある。街を挙げての歓迎ムードでWELCOME HOME HARLEY RIDERS 110thのポスターが随所に見られる。

 

ダウンタウンに今も残っているヨーロッパの落ち着いた石造り(1800年代後半)の建物を見ながら20分程歩いて行くとハーレーダビットソン社が2008年(105周年記念)に造ったミュージアムがある。工業都市ならではの建物のグレーの大きな外壁に「1903」 、その下に大きく「HARLEY-DAVIDSON」と書いてある。入り口で$18のチケットを購入して二階に通じる階段を上がって行くと、先ず最初にガラスで造られた箱の中に1903年に造られた第一号車が静かに佇んでいる。最初に造られたモーターサイクルと言う事で皆じっくり見て行く。とてもきれいで新車みたいだ。シングルで400cc。ホワイトリボンのタイヤも印象的。皆、記念写真を撮って行く。

 

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広い廊下に三列になって展示してあるその反対側にエンジンルームという一画がある。真っ赤に塗られた大きな壁一面にシングルからツインカムまでのエンジンの歴史が展示されている。それぞれの手前にボタンがあって押すとエンジンの音が出るようになっている。皆、盛んに押しては「funny」と言っていた。又、他の細長い廊下の壁一面には歴代のガソリンタンクがずらーりと並んでいてフォームとかペイントを見ているとすぐ時間が経ってしまう。きれいな水色に塗られた流線型のナックルヘッドがあった。1936年のELでFACTORY仕様のSTREAMLINER。ハーレーはこのマシンで1937年3月にDYTONA BEACHで136.183 mph(217.9Km)の記録を作った。

 

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2011年3月11日の東日本大震災の時の大津波で6400km離れたカナダの西海岸に2012年4月18日に漂着し、コンテナの中に入っていたハーレーが発見された。日本のオーナーとハーレーダビッドソンカンパニーの協力でそのままの状態でガラスケースの中に保存、展示されている。もちろん6400km、13ヶ月も海を漂流したので全体はサビだらけではあるが、タンクとかリアフェンダーを見ると元の色は黒だと思える。このバイクの前に立つとあの日を思い出して涙がこぼれてきた。

 

 

映画のコーナーでは「イージーライダー」で使用したキャプテンアメリカに逢える。バイクだけで450台以上もあるから時間が足りません。おいしいハンバーグが食べられるレストランもある。もちろん新鮮なミラービールも飲める。そして最期はやはりスーベニアショップです。世界広しと言えどもやはりここでしか見られない物が沢山ある。ハーレーに乗っている人も乗っていない人も一度は訪れてみたいミュージアム。

 

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写真師

磯部 孝夫

HBJ創刊以来のメインカメラマン磯部孝夫。マン島取材では毎年10日間以上も現地の友人宅にホームステイするという、まさに里帰り。1981年より通うデイトナではメインストリートの混沌とした魅力に魅せられたという1949年生まれの御年62才。
URL■www.isobetakao.com