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episode.03

吾輩は猫が、である(上)

猫が好きだ。ここでよくある “犬派”、“猫派” を問う物では無い。なんでも飼えばそいつがかわいいし、家族であり、愛おしくなるからだ。それが犬であり、猫であり、ネズミであり、ワニであり、ブタであり、カメであり、ヘビであり、カエルであり、オケラ(?)であり、アメンボウだってだって、だ。

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物心ついた時から実家には常に数匹の犬が居る完全に“犬派” の家系で育った。正直猫は飼った事がないので触った事もない。“わからない=怖い” だった。何考えているかわからないし(当り前か……)、わからないから(未経験)不気味だったりもしていた。そして初めて猫を経験したのが、今の家に引っ越してから間もない頃、たしか5年位前の話になる。真冬の寒い夜、老猫が家に迷い込み、泣いていた。そのままだと凍え死ぬと思い食べ物を与え、玄関先に段ボールで仮設住宅を建ててやった。段ボール小屋である。寒さをしのげて気に入ったのか、そこで住みだした。段ボールなので流石にフニャフニュになってきた。仕方がないのでコンパネでちゃんとした犬小屋を建ててやった。猫小屋など聞いた事もないし、鎖で繋いでもないのに犬の様にそいつは、その猫小屋に住んでいた。

春になって暖かくなり少しづつコミュニケーションがとれてきた。たまに調子に乗って家に入れると嫁に怒られた。メチャメチャ臭かったからだ、と言うのはウソで、情が移るのが心配だったんだと思う。そいつはチンチラかなんとかいう白いフサフサのロングヘアーで高級感たっぷりの猫だった。捨てられたんだと思う。野良猫で近所でまず見ない種類だった。雑種とかではなさそうだ。映画なんかでお金持ちとか悪者がブランデーグラスを片手に足を組み、ひざの上で抱いているやつである。見た目すごい横文字っぽい感じのやつなので “シロべー” と名付けた。オスかメスかわからない。そんな “シロべー” はヨボヨボで、毛も解かないから固まり、ボサボサのドレット状態で、お尻まわりはウンチが付き毛と絡み、更にニオイもメチャメチャ臭かった。

 

徐々に慣れ、触れるようにもなり絡んだ毛をカットするようにもなってきた。触りだした僕を見て家族が “ヤバイな~あれわ……” 、などと言いだしている。外で水洗いしても大丈夫な季節になってきたので、ある日 “よし! ウンコいったろう!” と、お尻に挑むことにした。ちょっとしたオペである。“始めましょう”。 肘までのゴム手袋をはめ、嫁に手伝ってもらった。流石に飼い猫でもないし水で洗うのでそうとう嫌がり、暴れた。案の定ツメも出し、“シャー!” などと言い怒っていた。“関係あるかい!” 。嫌がるシロべーを押さえつけ、ウンチを洗い流し、絡んで取れないところはハサミでカットした……“あれ? ち、違う、キ、キンタマが無い!!!!”

 

“シ、シ、シロべー! お、おまえメスやったんか!!!”
(下)に続く……

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