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episode.06

テイストで製作している料理研究家ケンタロウさんのカスタムマシンは現在プランニング中であり、車両として完成しておりません。 才能は活かしてなんぼ! もっと欲しいものだ……
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後少しで2011年も終わりだ。1日1日が、スゴい速さで参ってしまう……。果たしてこの一年どう生きて来ただろうか!? まあ、過ぎた日々を教訓に、とにかく来年は、もっと努力せねば……。

 

最近何度となくページを捲り、うなずき、こころ揺さぶられる本がある。”フェラーリと鉄瓶” 。一本の線から生まれる価値あるものづくり。オレとは桁外れのキャリアと人生を歩き続けてるKen Okuyama こと奥山清行氏が、様々のことを綴ってくれている一冊だ。フェラーリ創業55周年記念モデル、エンツオ・フェラーリを手がけた日本人唯一のデザイナーでもあるが、”繭” と名付けられた僅か330cc、550gの鉄瓶を生み出し、あらためてデザインの奥の深さを教えられた。その美しいシンプルさに言葉が無い……。

 

TASTE の基本理念(少し大げさ!?)は “Simple is the Best “。この信条に響くことが、フェラーリと鉄瓶の119ページに書かれていた。

「デザイン全般に言えることですが、あっさりして見えてるものがあっさり作られたかというと大間違いなんです。デザインした人の執念が見を結んでいるから、あっさり見えるんです。それに、シンプルに見えるものの造りがシンプルかというと、決してそんなことはありません。ものすごく複雑なものを、整理してつじつま合わせをして、いろいろなところまで気を配って作ると、最後にはすごくシンプルに見えるものです。その証拠に、細かいところをよく見てみると、決してシンプルでは、ないことがわかるはずです」

 

何度読み返してもほんとに的確で、うなずいたと同時に思わずこみ上げてくるものがある。今回デザインした一枚のトレードマークでも苦しみ……自分の才能の無さに落ちまくった。”プライド・優しさ・品格・風の揺らぎ” を表現し、自分自身が愛せるもの……。もっと簡単に出来ると過信していた。最終的には、好きになれるデザインに仕上がりなんとか一段落!

 

先日、極秘(!?)に進めていた “CAFE RACER-4 ” のオーナー、料理研究家のケンタロウくんが、TASTEのINDIANを体験しにやって来た。御存知のとうりナイスガイの彼も “作る天才” だ。身近な材料でとびきり美味しく、簡単に作れるレシピ “男子ごはん” 。このカジュアルな響きに隠された裏の努力もハンパ無いのがリアルに分かる。彼曰く「世界中のCAFE RACER を検索・調べあげた結果、TASTEにたどり着いたんですヨ、ここしかないって! “テイスト=味”。シンプルな中に活きる絶妙な “さじ加減” が僕と同じで!」。嬉しいかぎりだ。

 

ケンタロウくんに INDIANの始動のコツ、走らせ方をレクチャーしてると、そこに現れた今やMOTOR CYCLES DENの顔、松永。DENに入るずっと前からTASTEに出入りしてたから愛情こめて、あえて呼び捨てなのだ(笑)。この松永も若手(!?)ビルダーの中で頭角を現してはいるが、日々悩み苦しむ苦労の達人(爆笑)。ガンバレ!! 「センスいいですね、上手くまとめますねって簡単に言われるんですけど、俺っち的には、なんか……」とボヤく松永。「オマエ何言ってんの、最高の褒め言葉じゃん。レアパーツ云々とかじゃなく才能を評価されてるんだから、喜んでいいんじゃない、アホかっ!(笑)」、「そ~すかね~ぇ(疑心の病んだ松永)」。

 

オレとケンタロウくんと松永、この3人の作り手の孤独と苦労を交えた本音で盛り上がること深夜まで……。それぞれ同じ “産みの苦しみ” で成長させられるワケで、ある意味、有り難いことなのは言うまでもないのだ。オレ自身が最も意識してるのが、さもありそうな自然なモノづくり。苦労があからさまに見えてしまうのは出来がワルいだけ。ノリが活きる “Chopper” 製作とちがい、とりわけ “CAFE RACER” には、”なにかしら” の定義が存在し、シビアだから面白い。アプローチでの苦労は、人に喜ばれて影響を与えるナニかを作り出すための必要不可欠なエッセンスだと思うし、もっと努力し自分を磨かなきゃダメだな。

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どことなく “YAMAHA XS-1 ” を匂わせたCAFE RACER-4が、その名もケンタロウモータース1号、”KM-1 “。オールアルミ叩き出しの絶品仕様。アメリカ人でもヨーロッパ人でもデザイン出来ないディテイルを取り入れた “ジャパニーズ・ライン” は、シンプル&クラフトマンシップの融合を意識し日本人としてのオリジナリティーを出したかったんだ。

 

さあ、来年もXR-1000ベースの “CAFE RACER-5 ” のオーダーを頂いてるから、更に気合いを入れて頑張らねば! 寝る前にまた “フェラーリと鉄瓶” を読み、励みにしよう!

 

この一冊に出会い、奥山清行氏に心から感謝しております。

 

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