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episode.12

やはりバイクはホイールが大切/其の弐

前回のレーシングマグホイールKimTabのハブ製作の続編です。まずハブの製作は採寸から始まります。しかしそこはさすがアメリカン(?)ヴィンテージ(?)のためなのか、なかなか納得する計測結果を出す事が出来ません(納得と言うのは割り切れる数字やピッチが揃っているという事です)。

 

気になると、いてもたっても入れない性格が、この時間のない時にも発揮されてしまいました、一本また一本と違うKimTabをひっぱり出してきては計測してみるものの、どれもこれも微妙に違う。昔のアメリカンホイールなのだからインチなのか? でもブレーキ回りは日本製を使う事が多いからメトリック? など、連日徹夜での疲労のため少しハイになり、その当時の開発の経緯などに思いを寄せて妄想にふけニヤつきながら横道にそれるもなんとか採寸が終了。

 

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さてそこからどんなハブにするのかを考えます。マシンの使用目的を考えた上での強度確保と今後のメンテナンス性やパーツの問題などなど……。意外かもしれませんが、ヴィンテージパーツをフィッティングするのにも色々と考えなくてはいけない事があって、実はきっちりとフィッティングするのは新しいパーツを使うのより難しい部分が多かったりします。逆を返せばきっちりとしたフィッティングを最初に行っていれば、長くちゃんと使えるという事にもなります。

 

そんなこんなでマシンを完成させてショー前日に搬入しました。準備が終わり色々とほかの出展車両を見ていたのですが私が気になったのが、ボヘミアンのピンクローター号でした。前日の搬入時に何気なしに見たら、以前ナイスのショールームで見た時スポークだったのがKimTabになっているではありませんか。ナイスさん独特の外装やれやれでピカピカショーバイクではないのですが、そこはさすがボヘミアン、KimTabのセットアップは美しい! 「さすが」の一言でした。この部分を見て美しいと感じるのは私だけかもしれませんが、すっきりとシャキッとしているのが見て取れました。ちなみにそのあとボヘミアンにアドバイスをもらい、私自身のスキルアップとマシンのバージョンをアップするため再度ハブの製作にかかりました。

 

リアは違う方法になりますが、フロントはホイールにハブインナーを圧入して使います。まず計測。ホイールの内径を最低9か所は計測します。理由は加工として外径(軸)加工よりも内径加工の方が難しく、安定した寸法が出にくいため一か所での計測ではわからないからです。圧入するサイズを決めるのにより多くの情報が要ります。そして図面の製作です。ちなみにどのくらいの公差でホイールに入れるかが重要で、この辺りが製作者のノウハウになります。次は旋盤加工です。今回はAL2017S材で製作しました。これでハブインナーの完成です。ベアリングは安心の日本製でシールタイプになります。ベアリングもかなり種類がありますので使う用途に合った物の選択が重要。最後にプレスで圧入します。余談ですが、圧入などとよく言いますが、この様な作業を加工業の正式な呼び方では「はめあい」と申します。その中でも今回行う作業は「中間ばめ」の軽圧入になります。これにて完成で御座います。

 

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