episode.02 1000の沈黙/其の壱

美しさを追求した
ふたつとないオリジナルマシン

オートバイとしての美しさを追求した、この世にふたつとないオリジナルマシン。自画自賛で申し訳御座いませんが、まずはエクステリアを中心に話しを進めようと思う。外装の華と言えば、やはりフューエルタンク。そのフューエルタンクに目を奪われがちだけれど、「車両の中央に位置するオイルタンクこそがスタイリングの要」というロナーセイジ特有の考えのもとに各部のデザインが決定されている。鉄板から叩き出された翼のようなふたつの曲線を持つこのオイルタンクが、エクステリアの主役なのです。

 

ロッカーカバーに沿うように深くエグリが入れられたフューエルタンクは、フレームとのモールディングにより、ステムヘッドからはじまる流れるようなスタイリングの起点となっている。柔らかな丸みを帯びたフォルムではあるが、アンダーパネルのエッジを立たせることで見る角度によって違った印象を与えるという、全方向が見せ場のフューエルタンクに仕上げられている。容量は約6L。本音を言えば、もう少し容量が欲しいところだけど、やはりスタイルは譲れない。このフォルムはマシン全体の流れを考えての最良の選択なのです。

低く身構えたドラッグスターの力強さとディガーの繊細さを兼ね備えた二代目パンヘッドカスタム。毎日使っています、通勤に。でも交通事故にはくれぐれもご用心!

低く身構えたドラッグスターの力強さとディガーの繊細さを兼ね備えた二代目パンヘッドカスタム。毎日使っています、通勤に。でも交通事故にはくれぐれもご用心!

ロナーセイジ
独自の表現方法

シートベースを兼ねるリアフェンダーにはモノコック構造を採用。ストラットはプライマリーサイドのみの片持ち。これはギミックではなく、強度の高いモノコック構造ならではの選択。シートはフレームにダイレクトマウント。レールに沿ったミニマルなデザインが最強かと。テールライトはスパルトをモディファイ。クロームが施されたシャープなカバーが特徴となっている。

 

ここで、このカバーの造形に注目して欲しい。カバーを構成するサイドの曲線と、シートベースの立ち上がりの曲線が見事にシンクロしている。さらにフェンダーエンドに設けられたツメのような造形物と、このテールライトカバーの曲線を対称に設定し調和が図られている。プライマリーサイドに設置されたストラットのフェンダー取り付け部の曲線も然り。この部分の形はシートベースの立ち上がり部分の曲線とも対をなしている。そのシートベースの曲線とオイルタンクエンドの曲線を見てもらいたい。見事にバランス取りされていることが分かるはず。オイルタンク下面の曲線とフューエルタンクのエグリ部の曲線との調和も感じてもらえるだろう。見れば見るほどに新たな発見が、そこかしこに隠されている。

 

一連の流れの中心は、もちろんオイルタンク。これが冒頭で触れた、エクステリアの要はオイルタンクであるという真の意味。ひと目見ただけではまず気付かないだろう、幾重にも絡み合った複雑な関係性。ロナーセイジ代表の中村さんの表現方法には、その苦労を見せないという特徴がある。声高に主張するのではなく、中村さんの言葉を借りれば「見たままに感じて欲しい……」という作り手の静かな思いがそこに宿っている。これぞ1000の沈黙! では続きは、次回更新予定の「1000の沈黙/其の弐」にて。

考え抜かれた細かなディテイルの積み重ねにより、トータルでバランスの取れたカスタムマシンに仕上がるというわけです。写真を拡大してじっくりとご覧下さい!

考え抜かれた細かなディテイルの積み重ねにより、トータルでバランスの取れたカスタムマシンに仕上がるというわけです。写真を拡大してじっくりとご覧下さい!

正面から見るとこんな感じ。ほどよくタイトな無理のないシルエットがこだわりポイント。ヘッドライトはあえて大きめの5・4/3インチ径をセットアップ。

正面から見るとこんな感じ。ほどよくタイトな無理のないシルエットがこだわりポイント。ヘッドライトはあえて大きめの5・4/3インチ径をセットアップ。

こちらは真後ろかの眺めでございます。フューエルタンクからシート、リアフェンダーのテールライトに至るまでの何とも言えないラインが確認できるはず。

こちらは真後ろかの眺めでございます。フューエルタンクからシート、リアフェンダーのテールライトに至るまでの何とも言えないラインが確認できるはず。