episode.04 1000の沈黙/其の参

複雑に絡み合う、
至極のペイントワーク

まずはこの圧巻のペイントワークをじっくりとご覧下さい。もちろんこのカスタムペイントは、ロナーセイジ中村さんの手によるもの。中村さん曰く「カスタム製作の最後のご褒美」というカスタムペイントにはロナーセイジの神髄が宿っている。それでは具体的なペイントメニューを紹介しよう。ベースにはカーボンブラックをペイントし、その上からキャンディレッドを吹き付け、深みのあるチェリーブラックとしている。サイドのスキャロップはグレーベースにシャドーを付け、さらにシルバーラッピングを施しキャンディレッドでコーティング。この何層もの複雑な行程を経て得も言われぬ立体感が演出されている。

 

仕上げはフューエルタンク上面とリアフェンダーに描かれたストーンペイント。これらエクステリアからフレームにまで渡るペイントすべてのデザインは、シリーズで紹介してきたマシンのフォルムやその流れに拍車をかけるべく徹底的に考え抜かれたもの。カスタムビルドから仕上げのカスタムペイントまでを手掛けるビルダー中村さんならではのアプローチと言える。

 

最後にもう一度、写真をご覧いただきたい。変則的なモディファイは一切なく、あくまでもオートバイとしてのセオリーに則ったカスタムマシンである。その範疇で真っ向から勝負するという作り手の意思が、写真からも伝わってくるはず。流行り廃りとは無縁の世界にあり、自らの感性のみを指針に突き進む、中村實というカスタムビルダー。多くを語らない氏と同様、このカスタムマシンも1000の沈黙を秘めている。あとは作り手の意のままに、それぞれの感性に委ねよう。

複雑なマスキングワークとシルバーベースのラッピング、ストーンペイントが描かれたロナーセイジカスタムペイントのフルコース。拡大してご覧下さい。

複雑なマスキングワークとシルバーベースのラッピング、ストーンペイントが描かれたロナーセイジカスタムペイントのフルコース。拡大してご覧下さい。