episode 100 動く! お箸の国のチョッパー屋

国民栄誉賞と16kgの金塊と、
クレーンとヘリコプターと加速装置

気が付けば、このコラムも100回目。タイトルが「1000の主張」というくらいだから、あと900回の主張、つまりあと900回続けなければならない。毎週月曜更新で月4?5回の掲載なので、ざっと計算しても200月、約16年と6ヶ月。例えるならオリンピック4回分に相当する期間だ。これはレスリング女子世界選手権で10連覇を達成し、五輪と合わせて13大会連続世界一を達成した吉田沙保里の偉業を超える記録になる。

 

連載1000回目の暁には、ぜひとも国民栄誉賞とALSOKのCM契約をいただきたいものだ。国民栄誉賞の記念品は、あと連載16年にちなんで16kgの金塊をいただくことにしよう。その代わりと言ってはなんだが、ALSOKのCM契約金は辞退することにする。ちなみに、ALSOKの名前の由来は「Always Security OK」の頭文字を取ったものだ、蛇足ではあるが。

 

とにかくこの16年と6ヶ月という数値が現実的かどうかはさて置き、1000個もの主張をするということは並大抵のことではないということを理解いただけただろう。

 

──かなり前置きが長くなったが、今回のお題は「動く! お箸の国のチョッパー屋」、つまり動画についての話である。雑誌HBJ129号連動企画として11.27にアップしたHBJ Movie #009 Chop Stick Choppers Kazutoshi Yamaguchiをご覧いただいただろうか。東京の下町、西巣鴨に居を構えるチョッパー屋の店主、CHOP STICK CHOPPERS、山口さんにフィーチャーした渾身の動画である。HBJ Movieフリークの方々ならお気づきであろうが、この動画は過去の作品とは一線を画す仕上がりとなっている。

 

さてここで問題。
HBJ Movie #009と、それ以前の動画の違いとは?
1.009には撮影用のクレーンを導入した。
2.009にはヘリコプターを使った空撮を導入した。
3.009の撮影には加速装置を導入した。
4.009にはBGMがない

答えは4。当然ながら大掛かりなクレーンもヘリコプターも加速装置も導入していない。だいたい加速装置がどのような仕組みで作動し、動画撮影においてどのような効果を発揮するものかまったくイメージできていない。とにかく解答のBGMを使わないという構成は、HBJ Movieにおいて、かなり画期的なことである。例えるならTM NETWORK時代の小室哲哉がTHE ALFEEに移籍し、仲良く4人で活動するくらいのインパクトがあるはずだ。いつもなら、まずは使用する楽曲を決めて、その曲調に合わせて映像を当てはめていくというのが僕の編集作業の基本であり、使う曲のイメージで映像を撮ることだってある。そんなガイドラインとも言うべき曲がないわけだから編集作業の勝手はまるで違ってくる。例えるならglobe時代の小室哲哉が三味線で作曲するようなものだ。

 

ではなぜBGMを使わなかったのか? それは現場の空気感を生々しく、よりダイレクトに伝えたいと考えたから。音楽の力を借りずにどこまで表現できるかが、今回のテーマでもあった。静けさの中の緊張感、暴力的なまでのレシプロエンジンの魅力のようなものが少しでも伝わればと願っている。

 

ここで一句。
「静けさとぉ♪ 排気音とぉ♪ 緊張感とぉ~♪」
少し字余り