episode.150 己兜塗成/前編

ライン決めに悶絶!
1ミリの美学

ビンテージヘルメットの王様BELL 500-TXを超えるロードランナー渾身のオリジナルヘルメットRORUNHELMET L-1。構想5年、製作に3年近くを費やしたという至極のヘルメットに、「己兜塗成」というエキサイティングかつプリミティブ、かつプリンシパルな四文字熟語のタイトルからもお分かりのようにDIYペイントを敢行。今回はその前編としてマスキング作業を中心にお伝えしよう。

 

デザインはブラックベースにアイボリーのフォークライン。どちらもマットカラーを選択。シンプル極まりないカラーリング&デザインであるだけに、ごまかしが効かないものだと言える。材料はプリエンファシスなDIYペイントなので、缶スプレーとマスキングテープ、耐水ペーパー、あとはカッターナイフくらい。数年前にシェイキンに弟子入り(??)して、ヘルメットのDIYペイントを行った経験があるので楽勝かと思いきや、かなり手こずることとなった。

 

まずは下地作り。#800くらいの耐水ペーパーで水研ぎを行う。今回はマット仕上げなので、そんなに几帳面にならずとも問題なし。次はベースのマットブラックを噴くためのマスキング。フチゴム、スナップ類、デカールにマスキングを施す。ハミ出たところは丁寧にカッターナイフで切り取っていく。ここは時間をかけて、丁寧に丁寧に。

 

 

それから脱脂を行い、いよいよベースのマットブラックを噴き付ける。決して一度に厚く噴くのではなく、タレないように薄く薄く何回かに分けて噴き付けて行く。これ基本中の基本。そして一晩置いて完全に乾燥させてからマスキングテープを剥がして行く。塗料が入りきっていないポイントは筆を使って細かく修正し、ひとまずベースが完成。それからいよいよデザインのキモとなるフォークラインのマスキングに突入する。これが一筋縄では行かないわけで。

 

自称「センスの塊」と自負している身ではあるが、ラインが一向に決まらない。1ミリ、いや0.5ミリの違いで、バランスが取れなくなってしまう。ヘルメットの曲面に合わせ、スナップの位置を外してフォークラインをデザインして行くわけだが、これがまさに針の穴を通すような繊細な作業なのだ。ラインを作っては壊し、作っては壊しの繰り返し。どうにか決まったと思っても、翌朝見たらどうも納得が行かず、またやり直し。そんな作業を1週間ほど繰り返し、ついに奇跡のラインに辿り着いた。しかしこのラインを今度は逆サイドで再現するのにまた3日ほど悶絶。自分史上、近年稀に見る難産であったがとにかくデザインは固まった。自称、圧巻の仕上がりは後編で!

 

 

ここで一句。

「フォークライン シンプルだけど プリテンダー」
少し字余り。

 

取材協力


ホットバイクジャパン.com編集部

成田恒一 Kouichi Narita

京都生まれの京都育ち、生粋の京都人という妙なプライドがチャームポイント。HBJ編集部員になり13年目(途中ブランクあり)にしてHBJ.comを立ち上げる。東京に来て25年以上たつも、未だ京都弁が抜けない。趣味は物欲。趣味を超えてその物欲で生きていると言えなくもない、もはやライフワーク。ちなみに特技も物欲である。そして2005年、勢い余って67年式カマロを購入。目下のターゲットはD5。