episode.164 緑の自動車税

「古くて効率の悪い大きなクルマは捨て、
巨大な電池で動く小さなクルマを買いなさい」というお達し

「地球環境を保護する観点から、排出ガス及び燃費性能の優れた環境負荷の小さい自動車に対して自動車税を軽減する一方、新車新規登録から一定年数を経過した環境負荷の大きい自動車は税率を重くする「自動車税のグリーン化」が実施されています」。

 

自動車税のグリーン化。またの名を環境配慮型税制。そんなわけで環境への配慮が乏しいカマロの自動車税を納付した。その額、9万6800円。そもそも税金に色が付いているのもどうかと思うが、ようするに地球環境を守るために古いクルマは捨て、新しいエコカーなるものに乗り換えなさいと御上は言っているわけだ。もちろん地球環境を守ることは大切だ。そこに疑いの余地はない。しかし穿った見方をすると、日本経済を根底から支える自動車産業発展のために古くて効率の悪いクルマは捨て、巨大な電池で動く小さなクルマを買いなさいと言われているような気がしてならない。

 

 

日本には「もったいない」という素晴らしい言葉がある。文化と言ってもいいだろう。そのモノを大事にするという精神は世界から高く評価されてもいる。もちろんその精神はエコにも繋がっている。古いクルマを大事に乗り続けることは、十分にエコだと思う。

 

乗り換えられたクルマは廃棄処分にされたり海外の途上国に流れ、さらに酷使されることになる。地球規模で見れば状況はあまり変わっていない。日本の二酸化炭素排出量を減らすため、という限定された条件が付帯されているわけ。これでは地球環境に害を及ぼすやっかいなモノを隣の家に売りつけているようなものだ。さらにクルマの廃棄処分には大きなエネルギーが必要だし、新しいクルマを作るために鉄を燃やし、たくさんの二酸化炭素が排出されている。果たして本当にこのサイクルはエコなのだろうか? 

 

そんなことを考えながら東京都主税局のWEBサイトを見ていたら「自動車税グリーン化税制に係る減免」なる項目を発見。そこには「環境負荷の大きい自動車に対する重課の適用を受ける自動車のうち、都が指定する粒子状物質減少装置(DPF)を装着する自動車<DPF減免>や1945年(昭和20年)までに製造された自動車<ヴィンテージカー減免>は、納期限までに申請することにより、自動車税の重課分の減免を受けることができます」とある。つまり排気ガスをキレイにすれば、重課分を免除してもらえるわけだ。これは知らなかった。地球環境を考えるなら古いクルマを大切に乗り続け、さらに触媒を付けて排気ガスをクリーンにするのが一番。だったら乗り続けるほどに減税してもらえないだろうか。「もったいない減税」なんて名はどうだろう?

 

 

ここで一句。

「もったいない 世界に誇る エコ文化」
少し字余り。

 


ホットバイクジャパン.com編集部

成田恒一 Kouichi Narita

京都生まれの京都育ち、生粋の京都人という妙なプライドがチャームポイント。HBJ編集部員になり13年目(途中ブランクあり)にしてHBJ.comを立ち上げる。東京に来て25年以上たつも、未だ京都弁が抜けない。趣味は物欲。趣味を超えてその物欲で生きていると言えなくもない、もはやライフワーク。ちなみに特技も物欲である。そして2005年、勢い余って67年式カマロを購入。目下のターゲットはD5。