episode.170 ご褒美

すぐ目の前にあるご褒美
いよいよカウントダウンか!?

ずっと以前、ロナーセイジの中村さんがこんなことを言っていた。「カスタムショップの日常とはタフな作業の連続です。その地道な積み上げによって、1台のカスタムマシンが仕上がっていくわけです。そんなハードな作業の中で最後の仕上げとなるのが視覚にダイレクトに訴えかけるカスタムペイント。しかし僕にとってカスタムペイントは最後のご褒美だと思っています。それくらい楽しい作業なんです」。

 

 

ロナーセイジ(孤独な聖人)という屋号の通り、カスタムマシンを製作するすべてのプロセスに自ら関わっていくというのがロナーセイジの基本的な考え方となっている。もちろん内燃機の特殊な加工やビレットパーツの製作など外部にお願いしている作業もあるが、仕上げのカスタムペイントを含め、ロナーセイジではほぼすべてを自社で行っている。

 

鉄粉と油にまみれて製作したカスタムマシン最後の仕上げとなるカスタムペイントを、頑張った自分へのご褒美だと中村さんは言う。その緻密な作業はとても人間技とは思えない。フリーハンドでマスキングを施し、複雑なデザインを造形に合わせて紡ぎ出していく。どこか和のテイストが感じられるところもロナーセイジのカスタムペイントの特徴と言えるだろう。

 

 

工場2階のアトリエでは、ブラック&ゴールドのソフテイルのカスタムペイントが仕上がりつつある。まるで陶芸品のようなその趣きに、思わず見入ってしまった。ふとソファーに目を向けると、僕のパンヘッドのフューエルタンクがそっと置かれていた。その隣には銀色のピーナッツタンクが並べられている。どうやらこのソファーは塗装の順番待ちの待機スペースらしい。行列の絶えない人気ラーメン店の前に置いてあるベンチみたいなものだ。つまりこのソフテイルの次に僕のタンクのリペアが開始されるというわけだ。もうすぐ……か!?

 

ここで一句。

「中村さん 僕にもご褒美 もらえませんか?」
少し字余り。

 

取材協力

ロナーセイジ
住所■茨城県小美玉市大笹470-12
電話■0299-48-3787
休日■火曜日


ホットバイクジャパン.com編集部

成田恒一 Kouichi Narita

京都生まれの京都育ち、生粋の京都人という妙なプライドがチャームポイント。HBJ編集部員になり13年目(途中ブランクあり)にしてHBJ.comを立ち上げる。東京に来て25年以上たつも、未だ京都弁が抜けない。趣味は物欲。趣味を超えてその物欲で生きていると言えなくもない、もはやライフワーク。ちなみに特技も物欲である。そして2005年、勢い余って67年式カマロを購入。目下のターゲットはD5。