episode.188 必然/破 「はじめて訪れたハーレー屋はカフェレストランのような佇まいだった」

はじめて訪れたハーレー屋は
カフェレストランのような佇まいだった。

 

──やっぱりハーレーに乗りたい。

 

オートバイの王様、ハーレーダビッドソンに憧れていた少年時代の純粋な思いが鮮明に蘇ってきた。きっかけはホットバイク37号に掲載されていた一台のカスタムマシン。製作は茨城県のカスタムショップだ。

 

週末、地図を頼りにその店を訪れた。常磐道のインターから国道を抜け、クルマ一台がやっと通れるほどの小道沿いにその店はあった。店といっても看板は出ていないし、本当にここがハーレー屋なのかと疑うような洒落たログハウスだった。バイクショップというよりも、オーガニック野菜と天然酵母パンを使ったシンプルな料理と手作りジャムを販売するカフェレストランといった方がしっくるくる。まさにハーレーとは対極に位置するイメージだ。

 

ショールームらしき建物の扉を開ける。なんだこのリビングのようなショールームは、靴はどうする? 奥では店主らしき男が背中を向けて何か作業に集中しているようだった。 意を決して第一声。「こんにちは。靴は脱ぐんですよね?」。

 

 

「はい、そうです」

 

振り向きもせず、男はそう言った。

 

靴を脱いで上がるバイク屋なんてはじめてだと思いながらショールームのカスタムを眺めていると「東京からですか?」と男が口を開いた。

 

「──そうです」

 

どうして東京から来たと分かったのだろう。車のナンバーか? それともほとんどの客は東京から来るものなのか……。

 

「いいクルマですね。私も昔アメ車の古いトラックに乗っていたんですよ。道、迷わなかったですか?」

やっぱりクルマのナンバーを見ていたんだ。でもいつの間に……。

 

「道が細かったので驚きましたが、インターから近くて便利ですね。実は雑誌に載っていたカスタムマシンが見たくて来たのですが……」

 

「すみません、その車両は納車済です。他にもいろいろあるので少し工場、見てみますか?」。そう言って男はゆっくりと立ち上がった。

 

ここで一句。
「この出会い やはり必然 さあ進め!」

 

取材協力
ロナーセイジ
住所■茨城県小美玉市大笹470-12
電話■0299-48-3787
休日■火曜日


ホットバイクジャパン.com編集部

成田恒一 Kouichi Narita

京都生まれの京都育ち、生粋の京都人という妙なプライドがチャームポイント。HBJ編集部員になり13年目(途中ブランクあり)にしてHBJ.comを立ち上げる。東京に来て25年以上たつも、未だ京都弁が抜けない。趣味は物欲。趣味を超えてその物欲で生きていると言えなくもない、もはやライフワーク。ちなみに特技も物欲である。そして2005年、勢い余って67年式カマロを購入。目下のターゲットはD5。