episode.222 BALANCE UNBALANCE

創造と破壊

2015.07.26に開催された第10回ニューオーダーチョッパーショー2015。場所をいつもの神戸から大阪に移し開催された今季は4000人を動員し、200台に迫るカスタムマシンが展示された。

2015 NEW ORDER CHOPPER SHOW 10th

そんなカスタムマシンの中から選ばれた、ビルダーズチョイスのナンバー1とホットバイクピックを獲得したエースモーターサイクルのパンヘッド。この車両、ひと筋縄ではいかない緻密なバランス取りがされた変則的なマシンに仕上げられている。一見するとエースらしいタイトにまとめ上げられたマシンといった印象であるが、よく見ればバランスが崩れていることに気づくはずだ。

フレームと一体型のフューエルタンクとリアフェンダーが作り出すラインは均整の取れた美しいものであるが、そこに組み合わされるダブルシートに注目して欲しい。本来ならオイルタンクの上辺りにあるはずのライダーズシートが、フューエルタンク方向にオフセットされ、エンジンリアバンクの中ほどまでシートが伸びている。このためフューエルタンクを上から見ると、シートとのバランスを考えて、エンドに向けてあまり絞り込まず長方形に近い形に成形されている。

これら変則的なセットアップをいかにまとめ上げるか。そこで考えられたのが、フューエルタンクとシートのハイトを抑えるということだ。シートはフレームとリアフェンダーに埋め込まれるように設置され、フューエルタンクも実用的な容量ギリギリのラインで製作しハイトが抑えられている。おそらくダブルシートにされた理由は、二人乗りの必要性よりも前後のシートのバランスを考えた結果だろう。

カラーリングも特徴的だ。クリームイエローのベースカラーにダークブラウンのフレイムスという組み合わせは、かなりハードルが高い。ひとつ間違えればトラになってしまうからだ。その上でイエローとブラウンの色調をタイガーマスクにならないギリギリのラインで調合し、ご覧のようにうまくまとめ上げられている。

エースの徳山さんをして「今回のアプローチはチャレンジでした」と言わしめる変則的な車両であるが、さすがの出来である。

──それにしてもカッコいいなぁ。

ここで一句。
「エース級 縦横無尽の アプローチ」
少し字余り。

取材協力
Ace Motorcycle
住所■兵庫県神戸市中央区元町高架通3-202
電話■078-855-9500


ホットバイクジャパン.com編集部

成田恒一 Kouichi Narita

京都生まれの京都育ち、生粋の京都人という妙なプライドがチャームポイント。HBJ編集部員になり13年目(途中ブランクあり)にしてHBJ.comを立ち上げる。東京に来て25年以上たつも、未だ京都弁が抜けない。趣味は物欲。趣味を超えてその物欲で生きていると言えなくもない、もはやライフワーク。ちなみに特技も物欲である。そして2005年、勢い余って67年式カマロを購入。目下のターゲットはD5。