episode.224 希望

パンドーラーの箱と交通事故

悪夢の交通事故から早3年。加害者側の保険担当者と1年以上も揉めに揉め、熾烈な知能戦を勝ち抜いてパンヘッド復活の道筋を立て実作業に突入したのがつい昨日のことのように思い出される。ダメージ箇所の修理の傍ら、キャブレターをEからBに換え、トランスミッションスプロケットを24丁から26丁に変更し、さらにタイヤを前後オールステートに履き換えたりと、細かなアップデイトを行ってきた。

あとはフューエルタンクのキズをちょちょちょいと補修して、転倒の衝撃で曲がってしまったハンドルストッパーをぐいっと修正。それとBキャブのスロットルステーをさくっと作り、前回のコラムでも書いたタイトなハンドルバーを仕上げたら完成だ。JR中央線の上りで言えば御茶ノ水あたり、僕の通勤路で言えばJR水道橋駅西口にある富士そばの食券販売機の前くらい、帰り道ならJR吉祥寺駅南口から井の頭線乗り換え改札に向かう階段の12段目あたりまできていると言える。

正味の話し、秋には走り出せるんじゃないだろうか? 過去にさんざん、この春には! とか、夏こそは! などと書いてきたわけだが、今度こそは間違いない……はず。

──希望を込めて。

ここでこの希望における話をひとつ。お馴染みのWikipediaによると、ギリシャ神話では人類最初の女性であるパンドーラー(パンドラ)が、好奇心からパンドラの箱を開けてしまい、あらゆる悪いものが溢れ出たあと、最後に箱の底に残ったのが「希望」だったとされる。つまりあらゆる悪いものの下に希望が隠されていたというわけだ。

パンドラ、もしくはパンドーラー、希望を見つけてくれてありがとう。でも考えてみればその箱さえ開けなかったら、交通事故なんていう悪いものは世の中に存在しなかったのではないか。でも希望が残っただけ良しとしよう。

ここで一句。
「秋待つや 箱の底の 希望とともに」
少し字余り。

取材協力
ロナーセイジ
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電話■0299-48-3787


ホットバイクジャパン.com編集部

成田恒一 Kouichi Narita

京都生まれの京都育ち、生粋の京都人という妙なプライドがチャームポイント。HBJ編集部員になり13年目(途中ブランクあり)にしてHBJ.comを立ち上げる。東京に来て25年以上たつも、未だ京都弁が抜けない。趣味は物欲。趣味を超えてその物欲で生きていると言えなくもない、もはやライフワーク。ちなみに特技も物欲である。そして2005年、勢い余って67年式カマロを購入。目下のターゲットはD5。