episode.247 今という現実と過去という記憶

既成の枠組みに対する破壊と創造

──カスタムとはいったいなんなのだろう?

ネットのフリー百科事典によると「カスタムとは、メーカー・販売店によって生産・販売された商品を、自分の趣味に応じて何らかの改造をする行為、改造された品物」とある。

たしかにその通り。とは言え、ことハーレーカスタムに関してはそのヒストリーやカルチャーといったさまざまな要素が絡み合い、単にバイクを改造するというひと言では片付けられない複雑なものがある。言うなればハーレーカスタムとは自己表現の手段であり、つまりは自己実現の一環なのではないだろうか。

バイクを擬人化することには賛否両論あると思うが、自らが所有するバイクに特別な思いがあることは誰もが認めるところだろう。そこに機械を超えたなにかを感じている人も多いはずだ。ハーレーとはそういう乗り物なのだ。

理想の姿を手に入れる、それがカスタムの最終形ではないだろうか。カスタムとは自己表現なのだから、それこそ千差万別であり、そこに答えなんてものはない。さらに常に変わり続けるものでもある。だから理想の姿を追い求め、カスタムにのめり込むことになる。カスタムに終わりなし、とはよく言ったものだ。

──時刻は17時。視線を落とせば時速100km分のスピードでフロントタイヤが勢いよく回り続けている。その同じスピードで今という現実が過去の記憶へ姿を変えていく。とめどなく、連続的に。リジッドマウントの小さなシートに腰を下ろしハンドルバーを握りしめ、前方だけを見据えただ進む。

バイクで走っていると五感が研ぎ澄まされるからだろうか、自分の意思とは関係なく不意にいろんなことが脳裏を過ることがある。過去のこと、未来のこと、そして今のこと。いくら考えたって答えなどないのかもしれない。カスタムと同じように。ケセラセラ。

さて。今日はどこまで走ろうか?

ここで一句。
「超現実 風に吹かれて ケセラセラ」
少し字余り。


ホットバイクジャパン.com編集部

成田恒一 Kouichi Narita

京都生まれの京都育ち、生粋の京都人という妙なプライドがチャームポイント。HBJ編集部員になり13年目(途中ブランクあり)にしてHBJ.comを立ち上げる。東京に来て25年以上たつも、未だ京都弁が抜けない。趣味は物欲。趣味を超えてその物欲で生きていると言えなくもない、もはやライフワーク。ちなみに特技も物欲である。そして2005年、勢い余って67年式カマロを購入。目下のターゲットはD5。