episode.27 シリンダーは丸くあるべし

プライマリーサイドから見た
ムッチリと凝縮感のある丸いシリンダー

ハーレーを語る上でキモになるパワーユニット。1936年に生産されたナックルヘッドに始まるハーレーのアイデンティティーたる空冷オーバーヘッドバルブV型2気筒エンジンの系譜は、現行のツインカム96へと受け継がれている。そんな歴代モーターの中でも、僕にとっては愛車のパンヘッドモーターは別格。そのテイストや乗り味はもちろんのこと、今回はパンヘッドの造型に的を絞って話そうと思う。

 

僕のパンヘッドは1957年型のFLH。74ciのスーパースポーツモデルで、生産台数わずか164台というデータが残っている。パンヘッドモーターの中では1954年以降の後期型と呼ばれるユニットである。4本リブのカムカバーに、アルミ製の肉厚Dリングが外観的な特徴と言える。前期型モデルに比べれば、洗練されたモダンな印象が強い。僕のパンヘッドのスタイルには、この後期型モーターのフォルムがよくマッチしていると思う。

 

そしてパンヘッドモーター最大の魅力は、やはり丸形シリンダーに尽きる。プライマリーサイドから見たムッチリと凝縮感のある丸いシリンダーと、その流れを強調するヘッド&シンプルなロッカーカバー。このバランス感こそがパンヘッドの神髄だと思うわけです、個人的には……。もちろん後継モデルのショベルヘッドも丸形のシリンダーを採用しているが、ロッカーカバーとのバランス感がパンヘッドとは決定的に違う。その後のEVO、さらにツインカムではシリンダーは角型になり、ずいぶんとイメージが変わった。あくまでも好みの問題だと思いますが……僕は丸い女性的なラインが好きなのです。

アメリカが最も強かった1950年代に生み出された後期型のパンヘッド。世界をリードすべく、当時のエンジニアたちが持てる技術を惜しげもなく注ぎ込んだ結晶。。

アメリカが最も強かった1950年代に生み出された後期型のパンヘッド。世界をリードすべく、当時のエンジニアたちが持てる技術を惜しげもなく注ぎ込んだ結晶。