episode 59 オイルエキストラクター

オイルを下から“抜く”のではなく、
上から“吸い出す”という発想

旧車メンテナンスの基本中の基本、オイル交換。プロのメカニックになると、オイルの状態を見ればエンジンコンディションを読み取ることも可能であり、トラブルを未然に防ぐという意味においても重要な作業と言える。

 

僕は季節の変わり目に年4回のオイル交換をするようにしている。残念ながら僕はオイルの状態で細かなエンジンコンディションを読み取ることはできないが、オイルの色やスラッジをチェックするようには心がけている。年間を通して純正のシングル50番を使っていたが、最近はチップ吉田さんにすすめられたスペクトロを使っている。スペクトロはカーボン堆積を最小限に抑えた鉱物油で、高い油膜強度を誇るため、とても旧車にやさしいオイルとなっている。夏からシングル60番を使っていたが、さすがにここ最近の気温ではキックが重い。そこでシングル50番に交換することにした。スペクトロはシングル50番に“かため”と“うすめ”がラインナップされているので、僕はオイルの熱ダレを防ぐために“かため”をチョイスした。

 

ここで秘密兵器登場。タンクのドレンボルトからオイルを抜くのではなく、キャップからオイルを吸い出すオイルエキストラクターなるものを使用。ポンプを押してタンク内を負圧とすることによって、毎分4リットルものオイルを吸い出すことが可能だという。なんともたいそうに聞こえるが、5000円ほどで購入できる、いたってシンプルな構造の便利アイテムなのである。

 

このオイルエキストラクター、もともとはドレンボルトのないカマロのミッションオイル交換用に手に入れたものであるが、もちろんオートバイでも大活躍。パンヘッドのオイルタンクはウイングタイプというその形状により、ドレンボルトから抜くよりも上から吸い出した方が効率的。さすがにハーレーの場合、ミッションオイルにはノズルがケースの底まで届かないので使えないが、エンジンオイル交換には重宝している。ドレンボルトがマグネットタイプの方は、最後にドレンを抜いてスラッジをチェックすることを忘れずに!

これがオイルエキストラクター。上に設置されたポンプで負圧を作り出し、オイルを吸い出すという仕組み。

これがオイルエキストラクター。上に設置されたポンプで負圧を作り出し、オイルを吸い出すという仕組み。

スペクトロのシングル50番“かため”。さらにキックの重さが気になるとう方は“うすめ”をお試しアレ。

スペクトロのシングル50番“かため”。さらにキックの重さが気になるとう方は“うすめ”をお試しアレ。

オイルタンクのキャップ部にオイルエキストラクターのノズルを差し込みポンプで吸い出す。1分足らずで完了。

オイルタンクのキャップにオイルエキストラクターのノズルを差し込みポンプで吸い出す。1分足らずで完了。