episode 67 Softail Slim=Softail Undeluxe

ハイドラグライドをイメージとした
ファクトリーメイドのボッバー

過度な装飾を排したFLS Softail Undeluxe。いやUndeluxeだからFLUか。それかDiet Deluxeかな……。

クラシックテイストのハリウッドハンドルバー。このハンドかなりイイ。ただクランプが残念なことに……。

今期レイトモデルとして投入されたXL1200V Seventy-TwoとFLS Softail Slim。つい先日、HBJ.comでもこのニューモデルのインプレッションを行った。その2台の中でもキャッチーなカラーリングとチョッパーテイスト溢れるエイプハンガースタイルのフォルムからSeventy-Twoに大きな注目が集まっているが、個人的にはSoftail Slimがツボにハマっている。

 

“Softail Slim” という名前がいいかどうかは別にして、このモデルは前後に取り付けられたカットフェンダーとフロントMT90B16 M/C 72H、リアMU85B16 M/C 77Hタイヤが作り出す、ほどよくタイトなスタイリングが見せ場となるブランニュー。この16インチタイヤはSoftail Deluxeと同じサイズであり、Fat Boy&Fat Boy Loの17インチタイヤに比べればタイトなものだ。言うなればSoftail SlimはSoftail Deluxeをベースに過度な装飾を取り払ったボッバーと言える。つまりUndeluxe。Softail Slimはその名前からFat Boy&Fat Boy Loの派生モデルと見られがちであるが、ボッバーという車両の本質を鑑みればSoftail Deluxeがベースと考えるべきだろう。

 

さらに言えば、Softail Slim は1949年に登場したハイドラグライドをベースとしたボッバーを意識してデザインされていると考えて、ほぼ間違いないはずだ。リジッドフレームを模したソフテイルフレームが作り出すクラシカル、かつシンプルなフォルムは初代OHVツインのナックルヘッドから受け継がれるハーレーダビッドソンというオートバイのアイデンティティーである。ならばSoftail Slimのフューエルタンクはもう少しタイトなものにして欲しかったし、ハイドラベースのボッバーならナックル時代のキャッツアイメーターダッシュではなく、パンヘッドに採用されたエッジタイプのメーターダッシュを採用して欲しかった。加えてテールランプはストップランプ一体型のハイテクLEDウィンカーではなく、定番の別体型ランプがよかったとも思う。

往年のクロスバースタイルのハリウッドハンドルバーはとてもよくできている。少し幅広のハンドルバーであるが、乗り手に向かって緩やかな曲線を描くアーチ型となっており操作性が高い。インプレッション記事でも書いたが、ただひとつ残念なのはクランプとのマッチング。やはりクラシカルなクランプを合わせて欲しかった。細かなポイントであるが、コイルの取り付け位置が非常にいい。ソフテイルファミリー定番の位置であるが、この場所は往年のビッグツインモデルと同じであり、旧車乗りにとっては一番落ち付くポイントと言える。

 

今期モデル中、最も低い605mmという荷重時シート高を実現したソロシート。ホールド性は申し分なくシンプルなデザインも好印象であるが、カスタムするならポゴスティックタイプの少し小振りなバディシートにしたい。バランサー付きTC96Bユニットの豪快な乗り味は、まさにVツインモーターの神髄。必要にして十分なパフォーマンスを発揮するインジェクションモーターに、もはやネガな要素は見当たらない。そしてトドメは206万8000円というこの価格。Fat Boy&Fat Boy LoやSoftail Deluxeと比べると、ずいぶん手の届きやすい価格となっている。

 

──FLS Softail Slim。

とにかくこの名前はさて置き、長く付き合うに値する魅力的なモデルであることに間違いはない。

 

ここで一句。

 

「そふている あんでらっくす えふえるえす」

 

少し字余り。