episode 74 風に吹かれて #07

自分が自分でなくなるような、
どこか不完全な毎日

風に吹かれて考えた。

 

僕がハーレーダビッドソンに乗る意味を……。

 

──そろそろこの一連の企画もひと区切り付けた方がいいんだろうな。テーマがテーマだけに、どうしても話しがネガティブな方向へと行ってしまう傾向がある。今回が#07ということは7週にも渡って「風に吹かれて」きたわけだから、これを機に次のステップへと進むことにしよう。

 

気になるパンヘッドの状況だが、先日ロナーセイジの中村さんと話したところ、フレーム及びフロントフォークに致命的なダメージがないことを確認できた。2004年の事故でフレームメインチューブが折れ、さらにダウンチューブが弓なりに沿ってしまい、ラグをバラして修正するという非常に手のかかる作業の末復活したパンヘッドだけに、フレームが無事だったことはなによりも喜ばしい。ただステムヘッド下のハンドルストッパーが内側に曲がってしまったので一部修正が必要だ。フロントフォークが無事だったこともありがたい。仮に曲がっていたりしたら交換が前提になるのだが、程度のいいセリアーニのオールドGP35mmを探すのはとても骨が折れる。まずは最悪の事態を免れることができたのでひと安心といったところ。

 

事故から約2ヶ月経ったわけだか、パンヘッドが手元にないという生活に慣れるどころか、日々違和感は増すばかり。パンヘッドがなければ生きていけない、とまではもちろん言わないが、どこか不完全な毎日を送っているような気がする。自分が自分でなくなるような、もやもやとした感覚。このオートバイは心豊かに暮らしていくためには欠かすこのできない僕の大切な一部分なんだと思う。

 

世の中何が起こるかなんて誰にも分からない。良いことも起こるし、悪いことも起こる。願わくば、少しだけ良いことが多い人生を僕は送りたい。

 

まだ先のことだろうが、パンヘッドが手元に戻ってきたら今まで以上に大切にしよう。そしてたくさん走ろう。思いがいっぱい詰まったオートバイだから。

 

ここで一句。
「パンのない 不完全な日々を 補完せよ」

少し字余り。